スーパー連携大学院を構想するに至った背景として、学位を取得した学生の就職率が低く、学位取得後定職につけないというポスドク問題がありました。 しかしながら、このポスドク問題は表層的な問題に過ぎず、本質的な問題は我が国の知の基盤の崩壊であり、深刻な問題であると捉えるべきです。
知の基盤崩壊の第一は、博士後期課程に優秀な学生が集められないことによる大学の凋落です。博士後期課程での学位研究では、その性質上独創的なアイデアによる研究が開始され、知の基盤である大学を支える研究を担っています。博士後期課程の維持が困難な大学、特に地方大学においては大学の知の基盤が危ういと言わざるを得ません。
知の基盤崩壊の第二は、知の源泉としての博士人材の不足です。日本は国際的に見て学位取得者の数が少なく、その活動範囲が大学や公的な研究所などのアカデミアに限定されています。この歪な構造が改善されるどころか、悪化する傾向にあります。
このように博士後期課程問題は単なる就職問題ではなく、日本の知の基盤の崩壊へと続く本質的問題であると捉えています。
また、グローバルな技術革新と大競争の時代に突入し、日本が埋没せずに輝き続けるためには社会のあらゆる分野で博士レベルの人材が活躍しイノベーティブな社会の実現が不可欠となります。
スーパー連携大学院コンソーシアムでは、社会の問題として全国の大学、産業界、行政が連携して、『多様な社会ニーズを踏まえて実社会で活躍するイノベーション博士人材』の育成に向けた具体的な仕組みを構築します。
スーパー連携大学院プログラムは、7つの志と基本的な2つの仕組みにより、『多様な社会ニーズを踏まえて実社会で活躍するイノベーション博士人材』の実現を目指します。
1.ベンチャー精神旺盛で自立を目指す
2.実社会のさまざまな分野で創造的能力を発揮し、活躍する
3.専門分野への深い造詣の上にマネジメント力を兼ね備える
4.未来志向の先見性と革新性を有する
5.質の高いコミュニケーション力を発揮する
6.リーダーとして尊敬される深い教養を備える
7.国際的感覚を備え、世界で活躍できる
Designed by CSS.Design Sample